メモ3

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本有の美

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「本有の美」とは何か。
どういう場合にそれが発露されるか。
作る者の心が二次に縛られない状態に置かれる時、作られる物はその発露として本有の美しさに輝いてくるのである。
これを「自由の美」「無碍(むげ)の美」または「無事の美」と呼んでよい。
二元に縛られず、本有の性が、そのままに示されてくるからである。
これを「本分の美」または「自性の美」と名づけてもよい。
物の美しさと醜さとは、この本性がどれだけ生かされているかで分かれる。
醜さとは畢竟(ひっきょう)二元に囚われた不自由さを示すものに過ぎぬ。

     柳宗悦
      1889年3月21日 - 1961年5月3日

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